No. 50
Titre
|
Le Témoignage de l'enfant de chœur
|
邦題名
(直訳名)
|
聖歌隊の少年の証言
|
Rédaction
|
1946.04; Saint Andrews, Canada
|
Éditions
|
10/18 Union Générale d'Editions #1931
|
邦訳本
|
新庄嘉章・訳、早川書房、1957
|
|
(←)
10/18叢書版
1988年5月刊
10/18 Union Générale
d'Editions #1931
mai, 1988
(→)
ルースタルの挿絵による
オムニバス社のカルネ版
Série Carnets
illustrée par Jacques Loustal
chez l'Édition Omunibus
Octobre, 2002
|
|
物語の季節
Saison
|
空はどんよりと曇り、冷たい雨が降り続く寒い冬の日。窓ガラ
スをつたって雨滴が流れ、しっとりと濡れた街明かりで、逆に人
々がまるで水槽の中で暮らしているような錯覚に陥る。
(Il pleuvait toujours, toujours la même pluie fine qui collait
aux vitres, … et qui donnait l'impression qu'on vivait dans
un aquarium.) (Chap.2)
|
メグレの状態
Son état
|
数ヵ月前から北仏の主要都市リール警察の機動捜査班の再編
のために派遣されて来ている。(à la Brigade mobile où il était
détaché depuis quelques mois) この妙な事件の検証のため、早
朝から寒い雨の中で待機したせいで風邪をひいてしまい、39度
近い高熱が出る。夫人が作ってくれる薬草茶(tisane)を何度も飲
み、ベッドに寝たまま事件を解決することになる。
のどに悪いというので夫人に取り上げられたパイプをどうしても
吸いたくなってじたばたする姿は実にユーモラスである。
|
事件の発端
Origine
|
「早朝の街の道ばたに男が胸をナイフで刺されて倒れていた」と
いう少年の報告を受けて、現場を見に行った警察官は何の犯罪
の痕跡も見出せなかった。何度も少年を尋問するのだが、彼の主
張に矛盾するところはなく、メグレは彼のその日の行動を再現さ
せて検証することにする。
市電が走り、大きな兵舎がある地方都市、聖カトリーヌ街とコン
グレ広場で該当するのはリール(Lille)と思われる。
|
表題の意味
Ça veut dire
|
メグレ自身、少年時代に聖歌隊員だったこともあり、早朝暗いう
ちから起き出してミサに加わった思い出がある。この少年の話に
真面目に耳を傾けて行動するメグレは、彼の心理の奥まで理
解しようとする。
他の作品の中で、ある容疑者が「オレは聖歌隊の少年じゃな
いぜ」と自白を拒否する場面があるが、その証言が神様の前の
ように嘘・偽りのないことの代名詞でもある。
|
各 章 の 表 題 と 場 所
Table de matière et les lieux cités
1
|
朝六時のミサの鐘が二度鳴ること
Les deux coups de la messe de six heures
|
2
|
メグレ夫人のハーブ茶と警視のパイプ
La tisane de Mme Maigret et les pipes du commissaire
|
3
|
黄色い家の借家人
Le locataire de la maison jaune
|
警察関係者の動向
Situation de collègue
|
ベッソン Besson : 背は低いががっしりしたボクサーのような容姿。
ティベルジュ Thiberge : 判事の道筋の家々の聞き込みをする。
|
事件にかかわる登場人物
Personnages dans l'affaire
|
ジュスタンJustin : 12歳の聖歌隊の少年。金髪で痩せていてしっかりした性格。自分で小遣いを貯めて自転車を買うのが夢。
隠居の判事Un juge de paix en retraite : いつもジュスタンが教会に通う道筋にすむ老人。舌を出してからかう。
フランケルスタン Frankelstein : 宝石仲買人
|
|